アルバムレビュー「Shut Down Vol.2」
Shut Down Vol.2 (おすすめ度★★★★★)全米13位
購入は→シャット・ダウン Vol.2
全曲解説
Surfin' U.S.A. | |
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◆アルバム概要◆ | 名曲揃い。いよいよビーチボーイズの本領が発揮されたアルバム。絶対にオススメ! |
1.Fun Fun Fun (★★★★★) |
何も言う事がないぐらいよく出来たロックンロールナンバー。これを聞いた人はつい踊りたくなるだろう。チャート上は最高位5位だが、ビートルズの曲が次々チャートインする中、アメリカのバンドとして意地を見せる!ライヴでも最も盛り上がる曲の一つである。ロック的な視点から見ると最高傑作と言っても過言ではないだろう。曲最後のブライアンのファルセットは圧巻!でもこの曲がチャート5位なんて、当時のチャートのレベルは高かった!(というか、ほとんどビートルズのチャート独占のためだが・・・。) |
2.Don't Worry Baby (★★★★★) |
これを名曲と言わずして何を名曲と言おうか?ロネッツの「Be My Baby」の返答歌として作られたこの曲は、ある意味「Be My Baby」を超えている。曲間の「チャッチャッ」というギターも良く出来ているが、それだけで聞かせてしまうところにこの曲の凄さがある。全編が聴き所のメロディ。ヴォーカル、コーラスとも完璧で、ブライアンのファルセットも冴えまくりである。これがシングルB面なのだから恐れ入る。 |
3.In The Parkin' Lot (★★★★) |
耳につく「デュランディランディ」のコーラスが最大の聴き所。ブライアンの美しいファルセットはやはり健在。コーラスはまさにビーチボーイズ!! |
4."Cassius"Love VS."Sonny"Wilson (★★) |
まずこれは曲ではない。マイクとブライアンが対決という構図で、それぞれの歌い方にケチをつけながら過去の曲を歌っていくというもの。どうでもいい曲だが、ここで歌われる「Farmer's Daughter」は音圧があり、原曲よりよく聞こえる。その辺りを楽しむ以外に無いだろう。 |
5.The Warmth Of The Sun (★★★★) |
ケネディ大統領暗殺の悲痛な思いを曲にしたもの。美しいバラード。特に曲最後のブライアンのファルセットが繰り返されるシーンは別世界へ引き込まれるよう。 |
6.This Car Of Mine (★★★★) |
楽しげなホットロッドナンバー。何と言っても曲途中から入る「ディデュディホッホ」というコーラスが聴きモノ。デニスがヴォーカル。 |
7.Why Do Fools Fall In Love (★★★★) |
フランキー・ライモン&ティーンエイジャーズのヒットナンバーのカヴァー。しかし、単なるカヴァーを超えて美しく響く。さもビーチボーイズの曲であるかのように聞こえるのはブライアンのファルセットのせいか。本家を超えたすごいカヴァーだ。 |
8.Pom Pom Play Girl (★★★) |
楽しげな曲だが、いまひとつパンチに欠ける。聴き所は曲最後のおふざけ? |
9.Keep An Eye On Summer (★★★★★) |
Surfer Girlの続編のような美しいバラード。構成もよく出来ている。なお、ブライアンは後年、自身のアルバムでセルフカバーしている。個人的にはその時のアレンジの方が好きだが・・・。 |
10.Shut Down,Part2 (★★★★) |
なんのことは無いインストナンバー。Shut Downの間奏に使われたサックスで曲が始まるのでパート2なのだろうが、曲自体は全くパート2ではなく、ほとんど聴き所もない。 |
11.Louie Louie (★★★) |
キングスメンの曲のカヴァー。同じカヴァーでも「Why Do Fools Fall In Love」とは雲泥の差がある。全くビーチボーイズに似合わない曲。まだ少し迷走していた名残とも言える。 |
12.Denny's Drums (★) |
デニスがひたすらドラムをたたく曲。というか曲と言えるのだろうか?コレ。ドラム・ソロがただただ鳴っているナンバー。 |
13.Fun Fun Fun(Single Version) (★★★★★) |
ボーナストラック。アルバムヴァージョンと違うのは、こちらはモノラルという事と、最後のヴァースがやや長いこと。 |
うんちく
- ビートルズのアメリカ進出に脅威を覚えたブライアン。アルバムの再構築を申し出たが結局出来ず終い。
- その為、依然としてインストナンバーやドラムソロナンバーも収録してしまうなど惜しいアルバムとなった。
- Keep An Eye On Summer は、ブライアンがソロ転向後にセルフカバーしている。
- アルバムタイトルは当時キャピトルがビーチボーイズに無断で「Shut Down」というカーソングのコンピレーションを発売したことへの当て付け。
- Don't Worry Babyはロネッツの「Be My Baby」にインスパイアされて出来た曲。イントロも似ている。