アルバムレビュー「Surfin' Safari」

Surfin' Safari        (おすすめ度★★)全米32位                  購入は→サー フィン・サファリ

全曲解説

Surfin Safari
◆アルバム概要◆ いきなり聴くにはいまいち物足りないアルバム。
成長途上のビーチボーイズ を聴きたい人に。
1.Surfin Safari
(★★★)
ブライアンが19歳の時に書いた少々コミカルな曲。記念すべきファーストアルバムのファースト曲。曲構成はしっかりしており、それな りに聴き所はある。
2.County Fair
(★★★)
 メロディが後にブライアンとマイクが作曲する「I Do」に酷似しているが、曲としては後者の方が圧倒的に出来がいい。まだ若さが前面に出ている編曲。やはり少しコミカルというか、この頃の曲は聴いていて 多少恥ずかしさがこみあげる。
3.Ten Little Indians
(★★★)
童謡をサーフィン風にアレンジ。唯一の聴き所はコーラスの「プルルルプルルル」であろうか? やはり少しコミカル。まだビーチボーイズ たるカッコ良さは無い。
4.Chug-A-Lug
(★★★)
今一不安定なボーカル。コーラスも弱い。タイトルは乾杯のときにグラスがぶつかる音のこと。 やはり少しコミカルさがぬぐえない。曲後半に手拍子が入るあたりは若干の工夫が見られる。
5.Little Girl(You're My Miss America)
(★★★★)
ファーストアルバムの中ではなかなかの出来。デニスのヴォーカルだが、後期と比べてまるべ別人の様。聴き所はメロディ。
6.409
(★★★★)
サーフィングループとして売り出されたビーチボーイズであったが、もう一つの路線がホットロッド(カーソング)路線であった。これは それを代表する曲。いきなりエンジン音から始まり、車が疾走していくかのごとき勢いで曲が進行する。まだまだコーラスは弱いが良く出来た曲。
7.Surfin'
(★★★)
記念すべきデビュー曲。ローカルチャートで支持されたらしいが、どうしてもコミカルさが先に耳につく。マイクの「ポッポ テュッテレ テレ」というバックコーラスのせいだろう。お世辞にもカッコイイとは言えない。
8.Heads You Win,Tails I Lose
(★★★)
表なら君の勝ち、裏なら僕の負け。というタイトル。発想は良かったのだが、やはりレコーディングのせいか、音が薄っぺらく、何か青臭 さを感じてしまう。
9.Summertime Blues
(★★)
 エディ・コクランのヒット曲のカヴァー。ヴォーカルはカールとデヴィット。やはりヴォーカルが弱い。
10.Cuckoo Clock
(★★★★)
一度聴いたらなかなか耳から離れない、ブライアンの「カッコー、カッコー」。ファーストアルバムにしてはなかなかの出来だと思うが、 やはりコミカルさが漂う。そして全ての曲と同じくヴォーカルが弱い。これはプロデュースの問題だろう。直にブライアンはヴォーカルを厚くするためダブルト ラックにすることが多くなる。
11.Moon Dawg
(★★)
ギャンブラーズによるヒットナンバーのカバー。インスト曲。バックの犬のような鳴き声がまたコミカルさを誘う。
12.The Shift
(★★)
今一つかみどころのない曲。構成もヴォーカル、コーラスも弱い。こうして見るとファーストアルバムにはまだ成長途上の曲しかおさめら れておらず、聴き所は少ないと言える。
13.Cindy,Oh Cindy
(★★★)
ブライアンのファルセットが美しいも、やや曲が弱く、コーラスも自信なさげに曲に埋もれてしまっている。惜しい。
14.Land Ahoy
(★★★)
後の「Cherry Cherry Coupe」(アルバム「Little Deuce Coupe」参照。)となる曲の原型。当時はまだカッコいいなんてものではなく、勢いがなく、コーラスも地味。これが後にブライアンの成長とともに激変す る。

うんちく

  • 「Surfin'」はロサンゼルスのローカルチャートで第3位を記録(全米チャート第75位)
  • 上記がきっかけで大手のキャピトルレコードと契約した。
  • キャピトル移籍後の初シングルは「Surfin Safari」。実質のデビューシングルとなる。
  • 「Surfin Safari」は全米14位を記録。ビーチボーイズ躍進のキッカケ。
  • 「Surin'」は、初期の頃のレア音源集ス タジオ・セッションズ61〜62 でも聴ける。